【19日(土)プログラム】
メンタルケア学術学会第15回大会 開会の言葉
10:00〜10:10
- 山岡 淳 (日本大学名誉教授/メンタルケア学術学会理事)
特別講演
10:10〜10:40
- 仁賀 建夫
(経済産業省商務情報政策局 ヘルスケア産業課 ヘルスケア産業研究官)
教育講演
「メンタルケアとポリファーマシー」
10:45〜11:45
- 平井 みどり(神戸大学名誉教授・医学博士・医師・薬剤師/メンタルケア学術学会理事)
昼休憩 11:45〜12:45
大会企画講演1
身体活動・運動習慣がもたらす心理社会的効果について
―初年次教育としての大学体育のあり方とQOL―
13:00〜14:00
大会企画講演2
メンタルヘルスと食
―摂食障害予防を目指して―
14:10〜15:10
第15回大会 1日目終了の言葉 15:10〜15:15
ポスター発表 15:30〜16:30
交流会 15:30〜16:30
※要事前申込 参加費500円 定員40名
- 第15回大会1日目にご参加された方同士や、ご講演をしていただいた先生、学会関係者との交流会です。ポスター発表がある場合には、参加者は出入り自由でポスター発表も参加可能です。
※講演者は時間の都合により参加できない場合もあります。
※食事の持ち込みは禁止致します。
※交流会の進行・運営については学会実行委員の判断に基づき実施させていただきます。
【20日(日)プログラム】
全体研修会1
「統合的心理療法の基礎知識」
心理カウンセリングの3stepsモデル
10:00〜11:00
全体研修会2
「統合的心理療法の実践研修」
対象者の喜びと苦悩の構造を見抜く実践トレーニング
11:10〜12:10
昼休憩 12:10〜13:10
分科会1部(薬学・生理心理学・心理アセスメント・発達心理・心理療法)
13:20〜14:50
※ 参加者は下記5分野のいずれか1つのみ選択願います。参加手続き完了者の先着順とさせていただきます。
※ 講義テーマにつきましては変更の場合もございますご了承ください。
・薬学分野:「メンタルケアを実践する上で必要な薬学の基礎知識」定員35名
平井 みどり(神戸大学名誉教授・医学博士・医師・薬剤師/メンタルケア学術学会理事)
・生理心理分野:「生理心理学〜心身相関について〜」 定員15名
寺門 正顕(清泉女学院大学教授)
・心理アセスメント分野:「WISCによるアセスメント演習」 定員20名
松田 浩平(東北文教大学教授)
・発達心理分野:「心理的援助における発達心理学の役割を考える」 定員20名
雨森 雅哉(国士舘大学講師)
・心理療法分野:「音楽の心理療法への活用」 定員30名
梶原 隆之(文京学院大学教授)
分科会2部(薬学・生理心理学・心理アセスメント・社会福祉・心理療法)
15:10〜16:40
※ 参加者は下記5分野のいずれか1つのみ選択願います。参加手続き完了者の先着順とさせていただきます。
※ 講義テーマにつきましては変更の場合もございますご了承ください。
※ 薬学分野、生理心理学、心理アセスメントは分科会1と同じ内容です。
・薬学分野:「メンタルケアを実践する上で必要な薬学の基礎知識」 定員30名
平井 みどり(神戸大学名誉教授・医学博士・医師・薬剤師/メンタルケア学術学会理事)
・生理心理分野:「生理心理学〜心身相関について〜」 定員15名
寺門 正顕(清泉女学院大学教授)
・心理アセスメント分野:「WISCによるアセスメント演習」 定員20名
松田 浩平(東北文教大学教授)
・社会福祉分野:当事者の地域における自立生活の実現に向けての支援、当事者の生きる力を育む関係づくりの在り方 定員20名
宮本 和彦(文京学院大学教授)
・心理療法分野:統合的心理療法
事例で学ぶ統合的心理療法ー3stepsモデルによるスーパーヴィジョン 定員35名
※本研修は参加者からの事例検討となります。
※参加者は当日守秘義務同意書の提出を必須とさせていただきます。
杉山 崇(神奈川大学 教授)
メンタルケア学術学会第15回大会 閉会の言葉
16:50〜17:00
- 山岡 淳 (日本大学名誉教授/メンタルケア学術学会理事)
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【19日(土)プログラム要旨】
教育講演
「メンタルケアとポリファーマシー」
- 平井 みどり(神戸大学名誉教授・医学博士・医師・薬剤師/メンタルケア学術学会理事)
【講演要旨】
高齢化や、栄養の偏り、運動不足、不規則な生活、ストレスなどのため、いわゆる生活習慣病、それも複数の疾患を抱える人がふえています。多彩な症状を訴える患者さんに対しては、複数の治療薬が処方されることがあり、特に高齢者においてその傾向が強くなります。処方薬の種類が増えると、薬物相互作用や薬による有害作用が出現する可能性が高まります。可能ならば、最小限の治療薬で対応したいところですが、訴えが多い場合にはどうしてもそれぞれの症状に対応した薬を追加することになります。指示通りきちんと薬をのんでいるつもりでも、どうしても飲み忘れることもありますし、薬の種類が増えると飲み忘れの可能性も高まります。その結果、飲みきれない薬が家のあちこちに、といった現象が特に高齢者のお宅で見られる傾向が強くなります。
ポリファーマシーとは、薬が不必要に多く処方されている状況をいいます。不必要な薬や何らかの問題を発生する可能性のある薬をPIMs(Potentially inappropriate medications)とよび、PIMsを減らすことで薬物治療の安全性と有効性を高めることができます。ポリファーマシーという言葉が先に広まったため、「処方薬の種類を減らす」ことが目的化している傾向にありますが、種類を減らすよりもPIMsを検出して是正することが大切です。メンタルケアに関連する薬につきましては、睡眠導入薬、いわゆる「眠剤」と呼ばれるベンゾジアゼピン系の薬が特に高齢者で問題になっています。睡眠に問題を抱える人口は多く、また安易に薬が処方されたり、ドラッグストアで購入できるものもあったりしますので、睡眠の問題を薬に頼らずに解決するにはどうしたらよいかを考えてみたいと思います。
大会企画講演1
身体活動・運動習慣がもたらす心理社会的効果について
―初年次教育としての大学体育のあり方とQOL―
【講演概要】
日常的な身体活動や運動習慣は、生活習慣病(Life Related Diseases)の予防・改善に寄与するだけでなく、不安やストレスの低減、ソーシャルサポート源の獲得、コミュニケーションスキルの向上などの心理社会的効用をもたらすことが報告されている。特に、近年、日本の高等教育機関では、自己不確実感や不全感を抱え、友人を作れない、教員ともうまくコミュニケーションがとれない、学内でも居場所をみつけられないなど、大学生活への適応に困難を抱える学生が増加している。
この問題に対応するために、文部科学省(2006)は、「大学・学生生活への適応」「大学で必要な学習技術の獲得」「ライフプラン・キャリアプランづくりへの導入」などといった初年次教育の重要性を指摘している。本講演では、身体活動や運動習慣の定着化がもたらす心理社会的効用に着目し、初年次教育としての大学体育のあり方について考察し、大学生活におけるQOLについて言及する。
大会企画講演2
メンタルヘルスと食
―摂食障害予防を目指して―
【講演概要】
近年,思春期・青年期女性を中心に摂食障害を呈する者が増加し,医療機関や相談機関などといった専門機関における治療的支援のみならず,例えば学校精神保健の場などにおいて予防的支援を実践することが急務となっている。摂食障害は,主に過食と排出が特徴である神経性過食症(以下,過食症),摂食を拒み低体重が特徴である神経性やせ症(以下,拒食症)から構成され,両者とも“食”という行動的側面と合わせて心理的側面に注意深く関与することが必要不可欠である。
これまで,摂食障害を引き起こす要因として,さまざまなものが指摘されてきた。こうした中,“他者との関係性の困難さ”や“社会文化的風潮”が摂食障害に影響する可能性が示されている。今回,摂食障害の発現・維持について心理学的観点から,そのメカニズムを紹介し,摂食障害に付随するメンタルヘルスの問題や,予防や治療の在り方について紹介し,生活の質(QOL)向上の一助となる支援について考える。
【20日(日)プログラム要旨】
全体研修会1
「統合的心理療法の基礎知識」
心理カウンセリングの3stepsモデル
【講演要旨】
カウンセリングにはたくさんの理論や方法論があります。これらはどのように使いこなせるものなのでしょうか。心理カウンセリングの3stepモデルは、カウンセリングによる支援を「関係性」「現実受容」「感情・行動の変容」の3stepで捉えるモデルです。各stepでどの理論や技法がどのように役立つのか体系化されています。ご一緒に学んで、みなさんの断片化された知識を整理しましょう。
全体研修会2
「統合的心理療法の実践研修」
対象者の喜びと苦悩の構造を見抜く実践トレーニング
【講演要旨】
演習ではstep1の「関係性」を作る名人をご一緒に目指しましょう。関係性を作るためにはCLという人生への深い理解が必要です。人生への理解の最初の入口として、ここでは「喜びと苦悩の構造」の理解から始めましょう。ご自身を学修素材としてまずが自分の喜びと苦悩の構造を見つけましょう。次に事例を通して、事例の人物がどのような喜びと苦悩の構造を持つのかグループワークで検討しましょう。受講者の相談力30%upが目標です。
分科会1部
・薬学分野:「メンタルケアを実践する上で必要な薬学の基礎知識」
平井 みどり(神戸大学名誉教授・医学博士・医師・薬剤師/メンタルケア学術学会理事)
【講座概要】メンタルケアを実践する上で必要な薬学の基礎知識として、「薬の歴史」「薬は毒?」「精神疾患と薬」「飲んだ薬はどうなる・どう効く」「薬の副作用・有害作用」「メンタルケアに必要な薬・栄養・睡眠」があり、この点について講義を行います。
・生理心理分野:「生理心理学〜心身相関について〜」
寺門 正顕(清泉女学院大学教授)
【講座要旨】怖いという感情から手に汗をかき心臓がドキドキする、心理的変化と生理的な反応の心身相関は、臨床心理学においても重要な要素といえる。また、生理心理学的指標の測定は、その利点から教育現場をはじめ多くの領域への応用が試みられている。ここでは、生理心理学で扱われる生理的指標の測定と各指標の心理学的な意味について、ポリグラフ検査(うそ発見器)等の実際の計測を織り交ぜながら体験的に触れていく。
・心理アセスメント分野:「WISCによるアセスメント演習」
松田 浩平(東北文教大学教授)
【講座要旨】心理検査には、知能検査、発達検査、性格検査、適性検査、標準学力検査など様々なものがある。しかし、これらの心理検査はすべて所定の科学的手続きによって作成、標準化、使用、結果の評価や診断が行われる。特に心理検査では、信頼性と妥当性の保証がなされなければならない。また、知能検査は、検査の種類によって、知能の定義も異なり、測定する因子やそれに従った尺度も異なる。そこで、心理検査を実施する上で必要な条件や、関係する理論などを簡単に紹介する。そこで、本講では、代表的な知能検査である、「WISC-V」をとりあげ、尺度構成と尺度の構造、用途などを含めて解説を行う。そのあとで、簡単な実演をおこない、代表的な知能検査であるWISC-Vについて理解を深めることを目的とする。
・発達心理分野:「心理的援助における発達心理学の役割を考える」
雨森 雅哉(国士舘大学講師)
【講座概要】 私たちの心身の健康を損なうような問題や障害、悩みには様々なものがある。そこで発達心理学の視点から、なかでも発達段階の考え方で捉えてみると、それぞれの時期に特有の問題というものもある。本研修会では、参加者による問題提起を元にディスカッションをしてみようと思う。発達という側面から問題や悩みを捉え、ディスカッションを通じ他者と様々な意見・考えを交換することで自身だけでは思い至らなかった発見をしてもらいたい。そしてこの発見が今後のよりよい援助の助けとなることを願います。
・心理療法分野:「音楽の心理療法への活用」
梶原 隆之(文京学院大学教授)
【講座要旨】音楽は、カウンセリング、集団療法、手術中のリラクセーションなど、心理的効果をねらって、さまざまな場面で使用されてきました。ここでは、音楽の療法的機能の基本について学ぶことによって、参加者のみなさまが、自らの実践の中で音楽を活用していただくヒントをつかんでいただくことを目的といたします。講師は大学生とともに福祉施設を訪問して音楽活動を行っており、療法的効果を得ております。そこでのプログラムの組み方のコツや、特に効果のあった事例について紹介いたします。また、可能なかぎり、参加者の皆様とともに歌ったり、音楽を聴いていただいたりして、音楽の療法的効果について体感していただければと思います。
分科会2部
・薬学分野:「メンタルケアを実践する上で必要な薬学の基礎知識」
平井 みどり(神戸大学名誉教授・医学博士・医師・薬剤師/メンタルケア学術学会理事)
【講座要旨】分科会1部と同じ
・生理心理分野:「生理心理学〜心身相関について〜」
寺門 正顕(清泉女学院大学教授)
【講座要旨】分科会1部と同じ
・心理アセスメント分野:「WISCによるアセスメント演習」
松田 浩平(東北文教大学教授)
【講座要旨】分科会1部と同じ
・社会福祉分野:当事者の地域における自立生活の実現に向けての支援、当事者の生きる力を育む関係づくりの在り方
宮本 和彦(文京学院大学教授)
【講座要旨】障害者への地域生活支援や虐待家庭における親子関係への支援を取り上げ、「当事者の地域における自立生活の実現に向けての支援の在り方」「当事者の生きる力を育む関係づくりの在り方」とはどのようなものなのかを検討していく。
・心理療法分野:統合的心理療法
事例で学ぶ統合的心理療法ー3stepsモデルによるスーパーヴィジョン
※本研修は参加者からの事例検討となります。
※参加者は当日守秘義務同意書の提出を必須とさせていただきます。
杉山 崇(神奈川大学 教授)
【講座要旨】この分科会ではご一緒に人を理解する名人、そして人を支援する名人を目指しましょう。喜びと苦悩の構造はとても個人差が大きいものです。また対象者のそれぞれの人生という物語の中で、どのように喜びが阻害され、苦悩が拡張されているのか読み解くにはセンスが必要です。センスを磨く最も確実な方法はスーパーヴィジョンを受けることです。ここでは参加者から検討したい事例を募って、スーパーヴィジョンを通して学びましょう。
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